ヒップホップの歌詞解釈本

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「これならわかるヒップホップーーラップの歌詞がわからないキミやおじいちゃんのための解釈本」
というところでしょうか、これは。

「エキセントリックでエクレクティックな音楽センスをもつアータも、ラップだけは聞かないでしょうが」という揶揄をこめて配偶者氏にクリスマスにあげた本。ちなみに、メインのプレゼントは昔DJたちが使用していたLPキャリーボックス。これも「アータの趣味はわかってるから、これにレコードをしまってくれ」という皮肉が半分こめられていることに本人も気がついていました。

コベントガーデンのUrban Outfitters(トレンディな衣類やステーショナリー、インテリア小物の店。購買層は25才以下)で平積みになっていたので買ってしまいましたが、これがWaterstonesで音楽のセクションにあったら触りもしなかったでしょう。気の利いた図書館ならSocial studiesの書棚に並べているかもしれません。

贈られた本人は触りもしていませんが、わたしの方が熟読してしまいました。
そして、その結論。これじゃあ、わかんないのは自分の英語力のせいではないのだ(少なくとも半分は)と納得。ネィティブの大人(ティーンでも)が分からないのですから。

貧富の格差、階級社会、社会的流動性、ライフスタイル、若者、ドラッグ、教育、移民、労働、収入、犯罪などのキーワードを使って長ったらしい駄文をしたためるより、この本からラップの歌詞をいくつか引用した方が、ラップの背景がぐーっと浮かび上がる気がします。ちなみにこの本の目次は、MONEY,DRUGS AND ALCOHOL, INSULTS, CARS, SEX AND RELATIONSHIPS, CRIME AND WEAPONS, FASHION, SKILL AND PRIDE, PEOPLE, PLACES。直訳ではありませんので念のため。

SAW ME COOKIN’ EGGS, SHE THOUGHT I WAS BACK AT IT

女と一晩すごした翌朝、キッチンにいって朝めしの支度でもしてやろうと思ったわけさ。で、ガス台の前に立ってるところを女に目撃されちまったのよ。そしたらふたり分の朝メシ作っている丁重なジェントルマンだって思わなくて、フライパンでクラックコカイン作ってるって早とちりしやがって。

GETTING WHAT YOU GET FOR A BRICK TO TALK GREASY

オレってラップですっげえ稼いでんの。それもイージーに。歌詞が頭ん中からするする出てきて口から澱みなく流れ出るのよ。コカインの塊を小分けしてちまちま売りさばいてるおまえの稼ぎは、オレさまにとっちゃ、ほんの朝飯前。

ELEVATOR TO THE TOP — SEE YA LATER

ホテルのロビーに着いちゃったな。じゃ、ここで別れようぜ。夜も更けたことだし、女が待ってるかもしれないんだよ。オレは最上階のペントハウスに泊まってるけど、おまえって家に帰るか、下層階のスタンダードルームだろ。また会うことが絶対ないってわけじゃないしな。いちおうご丁寧に別れの挨拶をしてやってんだよ。

THAT PHOTO PHOBIA, NO KODAK MOMENT

カメラに恐怖を感じる体質とかじゃあないんだけど、被写体になったり、誰かの背景として映ったりするのもNG。有名な映画監督がコマーシャルにに出ろっていうんだ。オレの顔写真が出回ると、犯人がみつけやすいんだとよ。やってもいない罪をなすりけられたりしそうだしね。

BEEN A PLAYER SINCE FREEZE POPS

オンナを引っかけるのは、アイスキャンディーをちゅうちゅうやってたガキのころからやってるよ。

GET SWISS-CHEESED UP

穴ぼこだらけのチーズがあるだろ。あれみたいに銃でめちゃめちゃにやられること。

GETTING UNRELEASED JORDANS STRAIGHT FROM TOKYO

流行のアイテムを一般大衆より一足先に入手するのはきわめて望ましいことです。グレートなバスケットボール選手のスニーカーを、商品が作られているアジアの大都市から直で手に入れること。(世界経済の考えるとジョーダンのスニーカーもナイキも中国から輸入されているとは思うんですけどね)

イギリスでもTinie TempahやTinchy Stryderをはじめとするラッパーの台頭が目立ちます。社会文化的背景が異なるので、これはあくまでもアメリカ文化のエンタメ本でしょう。

上記のようにサンプルをいくつか挙げてみましたが、本を買わなくても以下のサイトでもっと学習できます。
http://www.understandrap.com/
Urban Dictionaryみたいに一般からの投稿からなるサイトです。

そしたら、ラッパーって何を食べているんだろうという素朴な疑問に行きついたのです。ヴィーガンとかマクロビオティックを信奉しているラッパーは皆無でしょう。やっぱりジャンクフードか。バーガー、フライドポテト、フライドチキンの類い。アメリカ人が食べるといえば、ジャークチキンとか?そんなことを考えると表面がカリカリで中がジューシーなチキンが頭から離れなくなり、猛烈な勢いで、ジャークチキンのレシピを求めて、指がキーボードを叩きはじめたのでした。ジャークチキンといえばジャマイカ料理で、ラップじゃなくてレゲエじゃないか、という声が頭の中ではしていましたが。(つづく)

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モノクロ写真好きによる「こだわってるこれについてひとこと言いたい」ブログ。犬が歩けば棒に当たる的に社会・本・映画・フードなど。使用写真は自前です。

2 コメント

  1. 初めまして
    いきなりコメントなんて、失礼かと思いましたが
    足跡代わりに一言^^
    日本在住です。
    本や音楽に触れて生活して居ないとならない…
    そんな風に思い込んでます
    『本』カテゴリでお邪魔しました^^
    では、失礼します。

    • コメント第一号です!ありがとうございます。
      本、音楽はぜったいに人間を豊かにしてくれますよね。
      そちらもそういう話題でのアップデート楽しみにしてます!

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