罪つくりなPhotoshop

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Photoshopは世界を変えたよなぁ。
子どもがいる身としては危険な薬品を風呂場で使いたくなくて、小学校や半日保育の幼稚園の送り迎えの間に暗室を借りていたけれど、時間を作る努力をかなり要した。フィルム代も薬品代も暗室の料金もかからず、コンピューターでかちゃかちゃやるだけで画像がいじれるのはわたしにとっては生活そのものの劇的な向上だった。フィルムには勝てないのは承知だけれど、お宝レンズをもってるわけじゃなし。あれから十年ちかく経ち、デジタル編集は写真オタクたちの手を離れ、お手軽に誰でもやるようになり、プラグインやアプリも増え、手を加えていない生の画像を見る機会そのものが減ったなぁと思う。

IMG_3459 (1)視ることは角膜(レンズ)を通して網膜(フィルムまたはセンサー)に映った像を脳というプロセッサーで処理している複雑な過程だ。だからカメラで撮った映像が視たままじゃぁないってことをつい忘れてしまいがちだ。

それを気づかせてくれるのが、夏の旅行。海と夕陽は本当に視たまんまにはカメラは映してくれないと思いませんか。視たままというより思っているままというほうが正しいかもしれないけれど。

DSC00355露出によるのはいうまでもないけれど、海は前日に雨が降ったか否かで透明度が違うし、曇天か晴天か、また時間帯で光の入り方や反射が違う。砂地かどうか、砂の色は白か黒っぽいか。海藻はあるかでもちがう。もちろんもともとの水の透明度にもよる。カメラの性能に癖。そしてレンズ。イオニア海に浮かぶアンティパクソスというちっこい島のバスクリンクールみたいな海は、海底も一面が白っぽい岩と砂だった。(上の写真 携帯で撮影した生写真 でも実物はもっとシアンがかっていた気がする)白い海底が光を反射してたんだと思う。夕陽も露出が難しいし、目でみた通りにはなんない。真っ赤な夕陽にはならなくて太陽がまっしろにとんじゃうか、周りの風景が真っ暗になってしまう。

夏の旅行の行き先もやっぱり写真で決めちゃう。どこにいきたい、っていうんじゃなくて、だいたい次の条件を満たすとこならどこでもいい。

石畳の路地があるようなオーセンティックな雰囲気の海辺の街。雨はほとんど降らず太陽が燦々。ビーチやカフェから徒歩圏内のこじんまりしたプールつきホテル。フレンドリーだけれどある程度距離を置いてくれてプライバシーを尊重してくれる。ディスコやクラブが軒を並べるような街とかエンターテイメントがあるような大規模なホテルはNG。市場と安くて美味い食堂(小汚いのオッケー)があってスノーケリングツアーが出ているような港が近くにある。近隣に日帰りで訪れる見所もあればなおよし。なるべく平坦な地形で急坂がない。

これを満たすホテルなら地中海だってアドリア海だってどこでもいいんだけど(太平洋やインド洋は遠すぎ)なかなかない。そもそもビーチサイドのホテルにはプールがない場合が多い。そして家族経営のこじんまりしたホテルにもプールがない。プールにこだわるのは部屋からでてプールサイドでのんびり本を読み暑くなったらプールで泳いでバーで冷えた飲み物を飲む。灼熱のビーチに寝転がるのとちょっと違う、と子どもたちが言い張る。うむ、それはわかる。

ヴィラとかアパートメントじゃなくてホテルなのは、冷蔵庫に何が入っているかを考えなくてすんで、朝起きたら誰かが用意した朝ご飯が食べられて、洗い物もしなくてよいのは、日常からの脱出の贅沢だから。でも不況の折、超緊縮財政。

結局写真が決め手になるんだけれど、なにさま昨今はみなかなり編集加工されていて、実物と違う!という問題が起きる。海は嘘みたいに青く、古いはずのホテルが新しくてゴージャスにみえる。でも逆に下手くそな写真がウェブサイトに載ってたらここはビジネスにプロ意識がないなんて思うから勝手なものだ。Flickrのタグで検索してpopularは、すごく加工されているから、recentを選択して手が加わっていない下手っぴい写真をさがしたり、Tripadvisorの投稿写真をチェックしたりする。Google のサテライトやストリートビューも頼りになる。

でも、そんなことばっかりやっていては、旅の要素として大切な驚きや発見がなくなってしまう。多くの情報の中から正しい選択をしたのかどうかを検証する旅になってしまうのはもっと哀しい。行ってそこにある状況を楽しむことが大事、と自分に言い聞かせてラップトップを閉じる。下調べも必要だけれど、ほどほどにしないといけませんな。

夏休みももうすぐ。みなさんも素敵な写真を沢山撮ってください。南半球の方は冷ややかさを感じる冬の写真を。
ということで今年の海が、どんな色をしているかは行ってからのお楽しみにしておきます。まだまだ先のはなしですけど。

IMG_3458ちなみにこちらがオリジナル。とっても眩しくて露出がよくわかんないのでとりあえずアンダーで撮影。鉄塔が邪魔なので消しちゃいました。Facebookのカバーフォトに使ったので、顔写真と被らないようミラー反転。去年いったトルコのカルカンという地中海に面した港街です。タウンビーチは白い石ころがごろごろしていて、砂浜はちょっと移動しなきゃないし、デッキングがあるタウンのビーチクラブはどぼんと深みにとびこむ感じなので、小さいお子様のいる方向きじゃないかな。ウミガメが泳いでましたけど。海を見下ろすインフィニティプールは極楽でしたが、急坂の上りは炎天下大変でした。ふぅ。
で、今年から新しい条件が加わりました。平坦な地形というのが。

12 コメント

    • ほほぉ、遺跡というところがさすがイタリア語の先生らしいです。イタリアの強い日差しでは建物にはシャドーが入ってディーテールがわかりずらいのと、露出そのものがむずかしかったりするし。材質の質感もちがいますよね。
      今回のイタリア訪問、とっても素敵です。母娘の旅なんてほんといいなぁと思います。

  1. 逆にフリーペーパーとかは素人の撮ったと思われるデジカメ写真をそのまま加工なしで載せてたりしますよね。
    どちらにしてもカメラマン泣かせですね、Photoshop。

    • そんなものなんですか。でも素人写真の方が正直でいい場合もあるのかな。
      とにかくコンピューター社会だから画像の重要性が高まってるよなぁと思うのです。
      アーティストにはいいんでしょうね。いろんなメディアで拡散できる時代は。
      はる坊氏の未来は明るい!

  2. おじゃまします♪

    そやねん p。^;b
    切り取りは変えようがないけど、(鉄塔がけせるのね p。^;;)
    色合いや明るさをそのまんますくいあげれないのが p。-;
    なのでモノクロで見る側に想像してみて!と無責任なことしてます ^^;

    • しばらくお休みだったのでお元気かな、と思っていました。
      イチゴもカレーも健在でよかった……
      モノクロのパワーを侮るなかれ!ですね。

  3. いつも有難うございます。
    コントラストが強い写真、例えば夕日の写真とか、多少はトーンカーブで救えますが、限界はありますね。しかし、少し暗めに撮るのは良いと思いますよ。白飛びしてしまった写真は直せませんが、暗いのは明るくできます。

    • Katsu先生ありがとうございます。
      写真は光りを読んで空気を写すことだと思いますが、奥が深いです。入り口付近でウロウロしているばかりだなと思います。

  4. Hello Sunnysider-san ! Thank you for your blog which I enjoy each time. As a film user, I am not qualified to tell you the solution of strong contrasts using digital camera, especially in the field of technicality. However, I can tell you that in our “old school”, we simply avoid such strong lighting condition if, you are taking landscape (nature) photo or flower/plant close ups. Of course when you want to shoot travel photos including documentary type, this is not so practical. It is all depending on your circumstances. The creation of digital camera certainly changed the entire photography world. A very artistic, creative digital photos made by some photographers are breathtakingly beautiful and impressive. In my opinion, the digital camera made it possible. Picasso, (1881-1973) once said, (not to me, of course!) “an inspiration is there. You just have to look for it.” I will try to keep it in my mind! Who knows. I even try a “dejikame” someday!

    • “an inspiration is there. You just have to look for it.” これは手帳に書き留めました。
      旅行中、この瞬間を残しておきたいと思うことがあります。朱色の夕陽が沈みそうで空にはまだ明かりが残っているけれど確実に藍色の濃度が増していて、潮風の湿り気が肌にまとわりつく時間の中にいる子どもたちの横顔とかです。普段一緒にいることが少なくなっているだけに、家族旅行で時間をシェアしている状態、そして刻々と光が移ろっていく中で過ぎ行く時間を意識する時間。似ているものをRAWだの JPEGだののファイルに残すことで、後から思い出せるよと言い聞かせて安心したいんでしょうね。
      フィルムで撮れる時間と心の余裕がほしいと思いますが、そんなものはそれこそ自分の心構えで何とでもなるのかな。

  5. こんばんは~
    最近のブロガーさん達は本当に綺麗な写真を
    載せてますよねみなんさん
    自分とは、カメラの性能が違うんだろう…と思うと
    良いカメラが欲しいなぁーとほんの一瞬頭をよぎります
    カメラ自体にも、色々と加工出来る機能も有りますし
    撮影シーンに合わせて切り替える事も出来ますしね
    オリジナルの写真も青が綺麗に出てると思いますよー^^
    本当、写真を加工する高性能なソフトもたくさん有りますね!
    私はそれもなかなか使いこなせません…
    ソフトで加工するのは余り好きでは無いのですが
    逆にあからさまに色々といじるのは好きかもです
    字を重ねたり、切り取ったり張ったり悪戯描きしたり^^

    • ブログをはじめ、このインターネット社会ではヴィジュアルイメージのウェイトがすごく高まってますよね。携帯カメラの性能もぐんぐんよくなっているし。カメラはびっくりするほど軽くてコンパクトになっている。どんどん新しいのが出るから買うタイミングが難しい。結局は買いたいときに買うのが一番いいんでしょうね。
      フォレさん、カッパさん顔の写真みましたよー。使いこなしているじゃないですか!笑っちゃいましたけど(笑)

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