猫と歩く海辺(メノルカ島編)

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旅先では早起きする。夜明けの空を撮ったり、カメラをふらさげて散歩にでかける。空気が澄んでいる。光の加減がよい。ひとりになれる。静かで冷ややかな朝の佇まいに浸れる。

たいがい出会うのが猫。犬とその飼い主。ジョギングする人。それに加えてメノルカ島は岩と灌木の島なのでマウンテンバイカーも多く見かけた。

猫は何処からともなく「現れる」。犬はリードをはずされていて「出くわす」。飼い主は大抵犬から遅れて「登場する」。ジョガーは「やってくる」。マウンテンバイカーは灌木の影から「出てくる」。そしてこんなところに東洋人がふらふら歩いている、とぎょっする。

第2日めの朝の散歩の相棒をみずから買って出てきたのは、雪ちゃんと勝手に名づけた白い猫。

ついてくるのかこないのかよくわからん様子で小1時間ほど文字通り後をつけられた後、やっと足元ににじり寄ってきた。それから毎日お目にかかったけど、あんた誰やねんという氷目線の日もあれば、いやー久しぶりじゃんといって邂逅する旧友を思わせる日もあった。猫の手にも届くような浅瀬に魚が泳いでいるけれど、漁をする猫はさすがに聞いたことがない。一言も声を出さす、塩辛い海水をちびちび飲んでいた。あんた塩水で喉をやられてんじゃないの。

発つ日の早朝、チェックアウトしようとドアを開けると、白いものがするりと入ってきた。部屋まで階段を上ってやってきた雪ちゃんだった。律儀にさよならをいいに来てくれたの?抱っこまでさせてくれるなんて。あんたとはあそこで初めて逢ったんだよね、とバルコニーから船小屋を眺めた。

猫のような人生に憧れはするが、わたしの前世は犬だと信じている。

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モノクロ写真好きによる「こだわってるこれについてひとこと言いたい」ブログ。犬が歩けば棒に当たる的に社会・本・映画・フードなど。使用写真は自前です。

17 コメント

  1. アラアラ、マタマタ、パソコンを閉じようとしたら、ホッカ・ホッカ号が今夜も飛び込んできました。

    精力的ですね。エライ。旅の新鮮な感激の蓄積がとどまることなく湧き出ていらっしゃるのですね。だから旬の題材。散歩の行程の最初のシーンの朝まだきから、時刻々、やがて陽が高く昇っていくまでの移り変わりが手にとるように見えました。

    雪ちゃん、短い毛がむっちりと生えそろっている種なのですね。スコットランドのマン島の猫のように、雪ちゃんもメノルカ島種なのかしら。

    どの写真でも、撮られていることを知っていて、サニーサイダーさんを意識している様子が見てとれます。

    抱っこしたい!前世は知りませんが、現世では、わたしは断じて猫派です。

    • Mewちゃんは凛とした人格(じゃなくて猫格?)の持ち主でしたね。
      猫のような弾性を秘めた奥深い人間になってみたいものだと思うのですが、どうも根がここ掘れわんわん的単純犬型のようです。残念なことに。
      カメラを真正面から向けるとレンズに向かって歩いてきてしまうので、ぶれちゃった写真の方が大多数でした。猫の写真は難しいです。

  2. 「現れる」「出くわす」「登場する」の表現がとてもしっくりきますね、
    そして海のそばの猫は世界共通の光景ですね、
    最後の1枚はなんか葉山辺りの海岸を思い出したり。

    わたしの来世は、北極グマであれたらいいな、と思います。

    • 海のそばに住んでる猫って、大好物が生きたまま水の中で泳ぐのをどんな気持ちで眺めているんだろうって思うんです。猫にインタビューしてみたいものです。
      葉山の海岸かぁ、憧れます。
      くまさんはやっぱりクマ?北極グマはほんとクールです。
      わたしは日本海側の漁村で演歌を聴きながら酒の相手をする漁師の飼い猫希望です。

  3. Sunnysider-sama,
    The reader’s “comment” button gone to IT heaven and I can’t recover it. Sorry!
    As for me, my highlight of any trip is always get up early in the morning, wandering around the places with camera. Yuki-chan must be missing you now, or, as a typical cat character, she (he?) must have someone else to following around? It was the first time I heard about Minorca. Love to visit there someday. Just beautiful.

    • コメントどこかへいってしまいましたか。わたしも全貌を把握しないまま使っています。wordpressに成り代わってお詫び申し上げます。

      早朝のぶらぶら歩きはフォトグラファーの甲斐性ですよね。何をかんがえているのかわからない気まぐれ猫性を真似てみようかとも思ったことがありましたが、そういう努力が必要な人間は、本質的に違っていて、いっぽふみはずす猫というよりと狂犬またはsilly cowのようです。メノルカは7−8月は混雑していて、季節外れは閑散としすぎて淋しいと思うので、6月くらいに再訪してみたいものです。9月は夏の疲れが残っていそうですね。

      • According to zoologist, cats are
        from dog family. The theory must be true because I found similar character between them. One of my cats had 100% dog personality, while a dog I had showed cat personality. I like cats and dogs but my top animal choice is cheetah! Thanks for the tip on Minorca travel. I will keep a note in “my dream trip” note.
        A different subject; I saw Woody Allen’s new movie, Blue Jasmine. I highly recommend it.

  4. 出ました!Mewちゃん。彼女の名前を憶えていてくださったのですね。どうもありがとうございます。嬉しい。凛とした品格どころか、真夜中に、大事なお客さまのベッドにドスンと飛び乗るお躾の悪さを発揮したりしたのでしたねぇ。

    雪ちゃんは、神秘的な東洋の美女に惹かれていたのかもしれませんね。住処まで嗅ぎつけるストーカー的行為に至っていたようですもの。サニーサイダーさんは、ご自分ではそこ掘れワンワン的犬型性向だと思ってらしても、深いところで、猫を惹き付ける何かが潜んでいるのかもしれませんよ。

    でも、事、話が動物の話となると、「日本海側漁村で、演歌を聴きながら酒の相手をする漁師の飼い猫 ‐この表現は圧巻です‐」とか、「北極グマ」など、人の想像力をそそらせるのは、いかなりや?

    元産経特派員だった近藤紘一氏の著作「目撃者」に、本当は動物園の園長になりたかったという彼の各国の動物園訪問記が出ています。彼の文章は言わずもがなの秀逸、内容もとても面白いです。まだでしたら、ご一読をお奨めしま~す。

    • 神秘的な東洋の美女には生れ落ちた瞬間からなれないDNAを持っていることは明らかで、まぁこれは仕方ないです。でも、猫ちゃんに興味をもたれることはかなりの賛辞だと思っています。

      動物園といえば、20数年前、インドのダージリン動物園で、普通のおじさんがトラの檻の前に行くと、おじさんの呼びかけに応じて金網越しにでっかいヒマラヤンタイガーがごろにゃんごろにゃんしている光景をみて、トラはネコ科なんだ、と実感したのを思い出しました。飼育係のような格好はしていなかったのですが、たぶんオフの日の動物園の人だったんでしょうね。ちゃちな檻でこれで大丈夫なんだろうかと心配もしましたが。

      物見の塔について前の記事でお返事しております😊

  5. ありがとうございました。マルテロ塔って何だろうと辞書で調べました。よく分かりました。マルテロ塔は砲台が付いた、対ナポレオン軍攻撃のために英国が建設した丸型の塔なのですね。

    そういえば、シドニー湾にもありますよ。観光の本では、ピンチガットと呼ばれているあの島にある砲台です。確か、19世紀半ば、ヨーロッパはクリミア戦争で英国が参戦中、ロシア軍が英国の植民地のシドニーまで攻めてくることを予想して、もともとそこにあった小さな島にこの砲台塔を建設したのでした。ここへは特別フェリーでしかいけません。一度行きました。

    さて、メノルカ島について、バードヲチャーのガイドを読んでみました。
    もともとはお隣のマジョリカ島が探鳥ツアーの始まり(40年前)だったけれど、開発がすすみ鳥の数が激減。それがメノルカへの移動の理由。メノルカ島は現在、ユネスコ指定地で開発がすすむことはない。ここを訪れる最高の月は、春の花が咲き乱れ、いまだ観光客もなりをひそめている3月末~5月初め、だそうです。

  6. ひとつ、お聞きしたいことを忘れていましたので、再びお騒がせします。イギリスからはメノルカ島へはどの手段でいらっしゃるのかしら。空の旅?飛行機は出ているのですか。
    教えていただけると嬉しいです。

    もう一つです。テムズ川沿いのパブでの食事楽しみですね~。イギリスへはそのうちに足を延ばすと思いますが、今のところいつになるか分かりません。その前に、例の帽子のお好みの色、と、頭のサイズ(これ内側に紐がついていて一応調整はできますが)一応、大・中・小くらいを教えていただけますか。

    • Yuko-sans
      I have no access to Japanese writing devices in daytime. Posting a reply via mobile phone. Menorca is only a 2 hour flight distance from London. Driving home from Gatwick through M25, London’s notoriously busy ring road, took as long as that.
      A number of flights including charterd flights and low cost airlines shuttle between several UK airports and Menorca in summer months. Menorca is now a mass tourism destination, attracting thousands of holidaymakers across Europe. With less sophistication and far less night time entertainment, Menorca appeals to families seeking relaxation by the crystal clear sea. In another word, an uncool place for twenty somethings, and they choose to visit its neibouring islands, Ibiza or Majorca.

      • Yuko san

        Forgot to write about a hat. It’s very kind of you. I would appreciate ivory/off white (not pure white or beige) if there is such an option. I guess my head is between small and medium, with not much grey matter in it!

  7. これぞ旅!!
    といった感じですね
    早朝の海辺、贅沢ですね~
    そこにこんなかわいいにゃんこまで居るなんて
    私も早朝のしんと静まった、
    ちょっと湿った空気の街中が好きです
    バイクでぶろろろろ~と(笑
    新聞配達を間違われそうですが(笑

    このにゃんこのお陰で
    何倍も素晴らしいバカンスになりましたね^^

    • そうなんです。雪ちゃんがいてくれてよかった。おまけに村祭りにもあたったので、松明が灯って花火も盛大にあがり、バンドの音楽もあり(懐かしいポップロックのカバーでしたが)砂浜で砂のお城コンテントがあったりひと味違った旅でした。

      バイクで旅するとまた違った地元の人たちとの出会いがあるんでしょうね。
      実は今月は友だちがサンフランシスコからニューヨークまでバイクの旅をしたんですよー。

    • ええーっ、こちらからみれば、イタリア紀行のほうが垂涎ものでしたよぉ。
      のんびり夏休みができるのいいですね。来年も。😊

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